2006年08月23日

完成と未完成

「すげえものには手を出すな!」というのは、ウィトゲンシュタインのお得
意の言葉だったそうである(ノーマン・マルコム『ウィトゲンシュタイン』
天才哲学者の思い出 板坂元訳 平凡社ライブラリー P129)。

問題になっている事物がちゃんとしているから、これ以上手を加えるな、と
いった意味だそうである。


老子『道徳経』第四十五章「無の静寂」に下記が書かれている。

 最も完成したものに達すると、
 何も完成していないかのようである。
 それを用いても尽きることはない。
 最も充満したものに達すると、
 まだ空虚のようである。
 それを用いても限りがない。
 このように、完全にまっすぐなものは曲がっているかのようである。
 最も技量のあるものはくだらないかのようである。
 最も雄弁な人は口がきけないかのようである。
 こうして、静けさは動きにまさる。
 寒さは暑さにまさる。
 静けさは天下の模範となる。


人間は、完全、完璧を求めようとするが、そのようなものは神でもないかぎ
り不可能なことである。いつまで求めても、永遠に掴むことはできない。


庭をつくる場合、完璧に完成された庭よりも、年月が経つにつれ綺麗になる
庭の方が良い。

地域づくり、まちづくり、人づくりも同じではないか。



絵は絵筆をかさねる毎に良くなるが、言葉は言葉をかさねる毎に焦点がぼけ
ていく。


ルツェルンにある噴水(写真から水彩画風・セザンヌ風に)


ルツェルン(スイス)
http://www.myswiss.jp/jp.cfm/area/offer-Destinations-04Zentralschweiz-209605.html


Posted by 坂本世津夫 at 06:03│Comments(0)TrackBack(0)

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